JMS 編集部巻頭特集

人類と感染症―その歴史から学ぶ―

2020年4月現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界中に拡大しており、各国政府は非常事態を相次いで宣言。国民に対する外出禁止令を発出するなど強力な措置を実施し、感染拡大の抑止、鎮圧を目指している。他方、我々一人一人ができることといえば、いわゆる3密(密閉、密集、密接)を避けることや手洗いの徹底を愚直に続け、ウイルスの感染速度の鈍化、更には治療薬やワクチンの具体化を待つことだろう。

とはいえ、そのような光明が何時見えるようになるのかは依然として不明だ。4月7日、安倍首相は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に、法律に基づいた一定の私権の制限も可能となる「緊急事態宣言」を発令、その効力を5月6日までとしたが、もちろんその期日以降、事態が鎮静化するかどうかは保証の限りではない。

そのような先行き不透明な状況を前にすると、人々は勢い、デマや流言に流されやすいものである。そしてそのデマや流言の内容が人々が強く関心を寄せているもの、すなわち現下の情勢でいえばまさに「感染症」に関するものであれば、その浸透力、拡散力は非常に大きく、それがしばしばパニックや暴動などの引き金になってしまうこともある。

そこで本稿では少し視点を変え、連日のように耳にする感染症の詳細な情報といったものではなく、感染症と我々ヒトのかかわりというやや俯瞰的なテーマに焦点を絞り素描してみたい。感染症という現象を一歩引いた場所から見直すことで、これを徒に恐れるのではなく、冷静に客観視できるような態度を涵養したい。


◎ 詳細は月刊JMS・2020年5月号にてご覧ください。