新型コロナウイルス感染症(COVID-19) をめぐる山梨大学病院の闘いの軌跡

山梨大学医学部附属病院(山梨大病院)は、今、かつて経験したことがない大きな渦の中にある。中国武漢に端を発し、日本でも令和2年1月16日に最初の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者が報告されて以降、感染者は全国に拡大した。4月7日には、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)第32条第1項の規定に基づき、全国7都府県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県及び福岡県)に対して新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言がなされ、4月16日には全国に拡大された。未曽有の国難ともいうべき状況の中で、山梨県民の命と暮らしを護るため、山梨大病院も闘い続けている。

山梨大病院は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に定めのある感染症指定医療機関ではない。しかしながら、山梨大学学長の島田眞路元病院長と附属病院の武田正之病院長の指揮の下、1月末から来るべき危機事態に備えた対策を開始し、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客、乗員の受け入れや、いずれも日本国内初となるCOVID-19による髄膜炎/脳炎の患者 と、心肺停止状態での搬送後に、COVID-19が判明した乳児 の診断・治療など、国際的な注目を集める症例の診断・治療にも携わってきた。全国的な緊急事態宣言が解除に至った今の時点で山梨大病院の1月末からの闘いの軌跡を振り返り、今後のCOVID-19との対峙のあり方を模索していきたい。

<執筆者>荒神 裕之・山梨大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部 特任教授


◎ 詳細は月刊JMS・2020年6月号にてご覧ください。