令和あやかり婚 秋桜の季節 心にも花を

収穫の秋、街は美味しいもので溢れています。秋が旬な食べ物と言えばサンマに松茸。芋・栗・カボチャは定番です。ただ、こうした食欲の秋を彩る食べ物は、美味しくてとても誘惑の多いもの。いろんなアレンジで堪能できるからこそ、食べ過ぎには気を付けたいものです。

そんな秋は行楽シーズンでもあり、紅葉の季節でもあります。紅葉に囲まれた山々を眺めると、四季のある日本は世界で稀に見るほど自然に恵まれた国だとつくづく感じるものです。ただ秋は紅葉だけではありません。秋と言えば、一面に咲き誇るコスモスを味わえる季節でもあるのです。

日本人に馴染み深いコスモス(秋桜)ですが、元来は日本に存在していた花ではなく、その産地は遠く離れたメキシコです。野生種はその高原が故郷だそうです。日本では薄いピンク色のものが一般的のようですが、色も種類も豊富で、咲く時期も品種によって異なります。ただ、9月から10月にかけてがコスモスの見頃で、同じキク科の花であるマリーゴールドやダリアも、この時期の花で綺麗に咲き誇ります。

そんなコスモスは、17世紀末~18世紀初頭にスペイン人神父によって最初にヨーロッパへもたらされました。そして日本へは江戸末期に伝来。広く普及したきっかけは、明治初期、イタリアの彫刻家で美術学校教授のラグーザ氏が、東京の美術学校に赴任した際に種子を持ち込んだのが最初だと言われています。

ところで、コスモスの原義は、ラテン語で「星座の世界=秩序をもつ完結した世界体系としての宇宙」を指します。語源の「コスモ」(cosmo)はギリシャ語で「秩序」や「調和」を意味します。

ではなぜ秋桜(コスモス)がコスモスと名付けられたのかは定かではありませんが、一面に整然と咲き誇るその様子が、秩序だったシステムの如く見えるからなのでしょう。コスモスを眺める楽しみがまた一つ増えました。ちなみにコスモスの花言葉は「調和」「謙虚」「乙女の真心」です。まさに令和の時代に相応しく、「調和」の世界を体現するコスモスをひときわ愛でていきたいものです。

さて、秋は空気が冴える分、夜空も鮮明に輝き出します。そんな満天の星空を眺めると、無限に広がる宇宙を前に、自分の可能性もまた無限であると感じられるのではないでしょうか。まさに遠くに瞬く星は希望の星。だから、たとえ今は思い通り物事が運んでいなくても大丈夫。万物は相応しい時期に相応しいモノを与えてくれるものだから、期待して幸運の訪れを待っていればよいのです。

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