2019年9月号掲載 新製品情報

AI機能で、高精度な骨密度測定が簡便に。深層学習で作業時間を短縮、高効率に活用できるX線TVシステム

島津製作所は、骨粗しょう症の診断やその経過観察、治療過程などで行う骨密度測定でのX線画像を、AI技術を用いた画像処理により、高精度で迅速に提供する新しい機能を開発した。この機能をオプションとして導入できるX線TVシステム「SONIALVISION G4 LX edition」を発売した。
 骨粗しょう症の患者数は、日本で約1300万人と言われてる。特に高齢女性に多く、50歳前後からホルモンバランスの変化に伴い骨量が減少して骨折しやすく、骨折が原因で介護が必要になるケースも多くある。社会の高齢化に伴い患者数も増加傾向にある。
 同社は2014年に、骨密度測定法の中で最も精度が高いと評価されているDXA法(2種類のX線による測定法)を採用してX線TVシステムでの骨密度の測定を世界で初めて可能にした。ただし、測定箇所である大腿骨のX線画像に「セグメンテーション(画像上で骨領域を抽出する作業)」が必要で、これには一定の経験と作業時間を要した。そこで同社は、深層学習(ディープラーニング)技術を用いて、熟練者の作業内容を瞬時に行う「AIアシスト機能」を開発した。X線撮影後、すぐに高精度にセグメンテーションされた画像を表示し、骨密度測定ができる(世界初)。骨密度が低下すると、低線量でのX線撮影で明瞭な画像化が困難になる。
 また同製品は、大幅な被ばく低減を実現する最新鋭のデジタル画像処理技術「SCORE PRO Advance」を標準搭載した。X線の照射量を減らすと画質が低下するが、リアルタイムにノイズ低減し、低線量下での画像の視認性を向上させた。これにより、被ばく量を従来の半分以下にしている(同社比)。
 さらに、機器の効率的な運用のために、X線TVシステムのX線管(X線照射部)から検出器(X線受光部)の間を180cmまで引き伸ばせる機能も追加した。これにより従来であれば一般撮影システムと呼ばれるX線撮影(静止画)専用機で行われていた胸部撮影検査にも対応できる。


製品に関するお問合せ先
島津製作所 医用機器事業部 グローバルマーケティング部
販売促進グループ
https://www.med.shimadzu.co.jp/

 

「ポケットエコー miruco(ミルコ)」リニアプローブ搭載モデル追加発売

日本シグマックス(株)は、低コストで導入できるエコー装置として販売中の「ポケットエコー miruco(ミルコ)」に、リニアプローブ搭載モデルを追加した。2019年9月中旬より、全国の医療機関向けに発売する。
「エコーをもっと身近なものに」というコンセプトで2016年7月に発売した超音波画像診断装置「ポケットエコー miruco」は、3.5MHzコンベックスプローブとタブレット表示器という非常にシンプルなユニット構成と、コンパクト・低価格という特長で腹部エコーを中心とした用途で多くの顧客に利用されている。
今回追加で搭載した「10MHz リニアプローブ」は、「運動器」「皮下組織」「頚部」「末梢血管」「肺」など、比較的浅い組織の描出に適した設定とした。
 低価格でシンプル、さらにリニアプローブの搭載によって、より多くの医療従事者に様々な用途でエコーの利用が広がることを期待している。


製品に関するお問合せ先
日本シグマックス(株)
https://www.sigmax-med.jp/medical/miruco_info/9763

 

心房細動治療に新しいバルーンカテーテル「Arctic Front Advance™ Pro 冷凍アブレーションカテーテル」

日本メドトロニックは、薬剤抵抗性を有する再発性症候性の発作性心房細動治療を目的とした「Arctic Front Advance™ Pro (アークティック フロント アドバンス プロ)冷凍アブレーションカテーテル」(以下、Arctic Front Advance Pro)を、日本全国にて発売した。
 Arctic Front Advance Proは、カテーテル先端のチップ長が従来品の「Arctic Front Advance™ 冷凍アブレーションカテーテル」より短く、手術中の評価に用いられる標的肺静脈の電位有無をリアルタイムで確認できる症例が増えることが期待される。電位の有無を確認しやすくなるため、個々の症例において、心房細動アブレーション治療の基盤である肺静脈の電気的隔離までに必要な冷却時間をより細やかに調整することが可能となり、手術時間の短縮も期待される。また、チップ長が短くなることでカテーテルの操作性が向上し、より小さな左心房での症例や、肺静脈の分岐部が左心房側にある症例など、より多くの症例への対応が可能となる。


製品に関するお問合せ先
日本メドトロニック(株)
http://www.medtronic.co.jp/

 

ホロジックジャパン、「アプティマ HIV-1」を発売

ホロジックジャパンは、ヒト免疫不全ウィルス1(human immunodeficiency virus: HIV-1)感染症の診断補助を目的に、核酸増幅法TMA(Transcription Mediated Amplification)法を用いた、HIV-1 RNA測定キット「アプティマ® HIV-1」を発売した。
 同製品はHIV‐1 RNAの二つの領域(polとLTR)を標的として、酵素による転写を介した核酸増幅によって試料中のHIV-1の正確かつ特異的な定量測定を行う。本製品を用いた検出には専用機器「パンサーシステム」を用いる。


製品に関するお問合せ先
ホロジックジャパン(株)
https://hologic.co.jp/

 

手術映像収録配信システム『Kada-OR』循環器内科向け映像収録配信システム『Kada-Live』新発売

フォトロン M&E ソリューションズは、手術室、カテーテル室まわりで発生する術場・術野映像およびDICOM画像・透視像を収録/保存/管理/配信するシステム『Kada-OR』および『Kada-Live』を発売した。
製品の特長と機能
●『Kada-OR』『Kada-Live』システムイメージ
 院内で発生するモダリティ映像(モバイルCアーム、内視鏡、手術顕微鏡など)のほか、術場映像等をIPカメラで収録し、ライブ配信および保存を実現する。
●DICOM+収録動画再生ビューワー『Kada-View Zero』
 DICOM映像だけではなく、収録保存されたMPEG4形式等の映像も再生可能。また電子カルテとの連携ができるため、カルテ端末から収録映像を参照することもできる。
●ライブ中の映像を再生『Kada-Live Viewer』
 収録映像をリアルタイムで再生可能なビューワー。外来やカンファレンスルームなどリアルタイムで各種映像を閲覧、参照したい場所に端末と一緒に設置する。
●オーダー取込みおよび収録をコントロール『Kada-Rec Manager』
 検査オーダーの取り込みや同時に何画面収録するかを選択し収録開始、終了などを実行する。
●DICOM画像+MPEG4動画を管理『Kada-Serve(動画サーバ)』
 更なる機能アップにより従来のDICOM画像保存だけでなくMPEG4形式も保存する。


製品に関するお問合せ先
フォトロン M&E ソリューションズ(株)医用画像システム営業部
TEL 03-3518-6282  FAX 03-3518-6279
電子メール:kada@photron.co.jp
https://www.photronmandesolutions.co.jp/medical/

 

医用テレメータ WEP-1000シリーズ 新発売

日本光電は複数の患者のバイタルサイン(心電図や血圧などの生体情報)をモニタリングする医用テレメータ WEP-1000シリーズ(商品コード:WEP-1400/1450)を発売した。
同製品は、ナース・オリエンテッドをコンセプトに、患者さんを安全に見守るために、誤アラームを低減し、医療現場の業務効率改善への寄与を目指している。装置本体を薄型ディスプレイに一体化したことから、棚置きや壁掛けなどさまざまな環境に設置可能。ディスプレイは新たにフリック操作に対応し、スマートフォンやタブレット端末のように直観的に操作できるほか、表示人数等に応じて画面レイアウトを自在に変更することができるようになった。新世代の医用テレメータとして、医療安全と質の高い看護業務をサポートする。
本製品の価格は、550万円(WEP-1450、8人仕様)で、国内の医療機関において初年度800台以上の販売を見込んでいます。

同製品の主な特長は次のとおり。
1.多様な設置環境に対応
装置本体を薄型ディスプレイに一体化したことから、棚置きや壁掛けなどさまざまな環境に設置可能。専用架台には、送信機やケーブル、小物類のための大容量収納ケースを搭載。
2.見逃さない・鳴り過ぎないアラーム
当社独自の不整脈解析アルゴリズムec1の精度を向上し、誤アラームの低減を実現。アラームの継続時間や値によってアラームの重要度を上げることができるエスカレーションアラームを搭載。入床中の全患者アラームイベントは一覧で参照が可能。
3.長時間のモニタリングデータ保存
従来品に比べて長時間のデータ保存に対応し、退床した患者さんのデータも参照できることから、万一のインシデント対応等でデータ活用が可能。
4.ユーザーフレンドリーな操作性
新たにフリック操作に対応し、スマートフォンやタブレット端末のように直観的な操作で、表示人数や位置を簡単に変更可能。メニューウィンドウは、機能を目的別にグループ化・アイコン化し、波形や数値を隠さずに表示。


製品に関するお問合せ先
日本光電
生体モニタ事業本部 事業企画部 TEL 03-5996-8099
https://www.nihonkohden.co.jp/