安倍晋三・元総理を偲んで
7月8日、安倍晋三・元総理大臣が奈良県にて演説中、銃で撃たれ亡くなられました。享年67歳。奇しくもご尊父である安倍晋太郎氏と同じ年でした。
安倍元総理の経済・外交、安全保障における功績は計り知れませんが、こと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)という未曽有な事態への対応を巡っても、安倍元総理は特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を初めて発出する等、司令塔としての役目を果たされました。また、感染が世界で拡大する中で迎えたオリンピックイヤーの2020年3月には、IOCのバッハ会長と電話会談し、大会の1年程度の延期を提案。史上初めて延期されることになったとはいえ、東京オリンピック・パラリンピックは無事開催される運びとなりました。
ただ持病の潰瘍性大腸炎が再発し、惜しむらくは2020年8月に総理大臣を辞任されました。総理大臣としての連続の在任期間は7年8カ月、第1次政権と合わせた通算の在任期間は8年8カ月に達し、いずれも歴代最長です。
そんな安倍元総理は、“保守的である”として左派メディアから批判されたり、政治批判の則を超えた悪口雑言さえ投げかけられることもしばしばありましたが、世界基準で見れば極めて“リベラル”かつ真摯に日本の将来を考えて行動された方でした。事件直後から氏を追悼する数多の人々の姿を見るにつけ、たとえ行く手が“茨の道”であったとしても、我々は襟を正して日本の活路を見出す努力をしていかなくてはならない。それこそが日本の将来を見据えながら志半ばで凶弾に斃れた安倍元総理に対する、最大の供養であると思いもするのです。
改めて、安倍元総理の生前のご功績に心から敬意を表すると共に、謹んでご冥福をお祈りいたします。