新元号あやかり婚! 新たな門出に立つ勇気を。
桜が咲き始め春を迎える頃は、穏やかな日差しと桜色に色づく景色を前に、浮足立ってしまうものです。しかしそんな思いとは裏腹に、切ない気持ちが胸に去来したりもします。なぜなら桜色のこの時期に人は出逢いと別れを経験するからです。新たな出逢いに期待を寄せながらも、今まで帰属していた場所や密かに思いを寄せていた人と物理的に離れなればならないからです。ただ、新しい何かを掴むためには、手放さなければならないものもあります。奇しくも今年は改元の年。馴染みのモノを清算し、新たな門出に立つ勇気を持ちたいものです。
ところで、5月1日に新天皇のご即位と共に新元号を迎える前に、「元号」とは何かについて簡単に振り返っておきましょう。
そもそも元号とは、日本を含むアジア東部における紀年法の一種で、イエス・キリストが生まれたとされる年の翌年を元年とする「西暦」に対して「和暦」と呼ばれることもあります。無限の時間システムに基づく西暦に対し、元号は有限の時間システムに基づいています。皇帝や王など君主の即位や治世の途中にも行われる改元によって元年から再度数え直され、名称も改められます。君主が特定の時代に名前を付ける行為は、君主が空間のみならず時間も支配するという思想に依拠しています。
元号が最初に利用されたのは、大化の改新(645年)時の「大化」であると『日本書紀』に記録があります。そして文武天皇5年(701 年)に「大宝」と建元(初めて年号を打ち建てる意、後は改元)して以降、継続的に元号が用いられることになりました。また、南北朝時代のように北朝と南朝が独自に元号を制定し、2つの元号が並存した時代もありました。時代は下り、明治政府が明治への改元の際に「一世一元」の詔を発布し、それ以降は現在まで、新天皇の即位時に改元する「一世一元の制」へと変更されました。
そのような歴史と伝統を引き継ぐ皇室という存在をいただくわが国が、まさに新元号と共に新たな御代を迎えようとしています。マクロコスモスとしての国家はそこで生きるミクロコスモスである人と連関するという“照応思想”があるように、その意味の大きさを噛みしめながら、私たちも生まれ変わることが求められているのです。そして結婚という「新たな選択」も生まれ変わって新たな人生を生きることと解釈できます。まさに結婚に相応しい本年、新たな出逢いをめざして主体的に行動し、年内の結婚を叶えていきましょう。