2019年2月号掲載 新製品情報

全自動血球計数・免疫反応測定装置 MEK-1303 セルタックα+用 HbA1cライセンス QL-130W

日本光電は2018年6月に発売した全自動血球計数・免疫反応測定装置 MEK-1303 セルタックα+のオプション・ライセンスとして、+HbA1cライセンス QL-130Wを発売した。オプション・ライセンスを同製品にインストールすることで、白血球3分類を含む血液20項目(CBC)とC反応性蛋白(CRP)に加え、糖尿病の診断、血糖コントロールの指標であるヘモグロビンA1c (HbA1c)を測定することができる。

  1. 1台でCBC、CRP、HbA1cの3種の検査に対応

1台で、CBCのみ、CBC+CRP、HbA1cのみの3つの測定パターンを有し、感染症や生活習慣病など、一般内科の開業医を受診する患者さんの検査に幅広く対応。

  1. 1本の真空採血管(EDTA 2K入り)で測定可能

CBC、CRP、HbA1cの項目全てを全血で測定。通常測定モードでは、1本の真空採血管に血液を採取するだけで3つの測定パターン全てに対応可能。患者さんの負担軽減と検査コストを低減。

  1. 採血管のキャップを取らないクローズドモード測定に対応

採血管のキャップを取らずにそのまま挿入して血液検査を実施するクローズドモード(キャップピアス)測定に対応。キャップを取らずに検査できるため、医療従事者の血液感染リスクを低減。

  1. 迅速な院内検査の実現

オープンモード測定では、1検体あたりCBC+CRPで約3分20秒、HbA1cのみで約5分の迅速検査を実現。検査業務の効率化や患者さんの待ち時間短縮に貢献。


製品に関するお問合せ先
日本光電工業(株)
検体検査事業本部 事業企画部
TEL 03-5996-8068

 

低侵襲弁膜症手術や複合手術を、より容易に行える「EDWARDS INTUITY Eliteバルブシステム」

エドワーズライフサイエンスは、大動脈弁治療用の人工弁「EDWARDS INTUITY Eliteバルブシステム」の販売を、必要なトレーニングを受け、厚生労働省の定める施設基準を満たす医療機関に向けて発売した。

同製品は、これまでにない新しい外科用人工弁(生体弁)。2013年にエドワーズが初めて日本に導入した経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)用生体弁のイノベーションと、エドワーズが長年培ってきた外科用生体弁の技術とのハイブリッドである。同製品によって、低侵襲で行う弁膜症手術や複合手術が、より効率的に実施可能となることが期待されている。

  • ニーズが広がる低侵襲・小切開での弁膜症治療、増える複合手術

弁膜症の手術は多くの場合、胸部中央の皮膚を縦に15cm〜25cmほど切開し、胸骨を左右に分割する「胸骨正中切開」で行われる。しかし近年、より小さな切開や、胸腔鏡を使用した「低侵襲心臓手術(MICS)」が広がってきている。MICSは、傷口が小さいため手術後の患者さんの回復が早く、傷跡も小さく目立ちにくく、痛みも少ないなど、患者さんにとって手術後の生活の質(QOL)がさらに向上することが利点。一方で医師にとっては、MICSは通常の開胸手術よりも限られた視野と狭いスペースで手術を行うため手術の難易度が高く、胸骨正中切開による開胸手術に比べて患者さんの心臓を止める時間が長くなるという課題がある。

また、大動脈弁置換術を受ける患者さんは大動脈弁以外の疾患を併発していることも多く、約4割の患者さんには冠動脈や他の弁も同時に手術する複合手術が行われている。複合手術は必然的に心臓を止める時間が長くなるため、手術時間を短縮することが求められている。

  • わずか3本の糸とバルーンによる拡張で生体弁を留置し、手術時間の短縮に貢献

一般的に、心臓を止める時間が長いほど死亡率や術後の合併症発生率は上がる傾向がある。

従来の人工弁は、12本〜15本の糸を1本ずつ結んで固定する。この複雑な固定法が、狭い傷口から手術を行うMICSの難易度が上がる要因のひとつであった。一方、新製品のINTUITY Eliteは、わずか3本の糸と、バルーンで拡張したフレームによって圧着固定し、留置するため、手術時間を短縮することができる。弁留置の手順を簡素化することで、よりMICSや複合手術に適した特徴を持つ、手術時間短縮に貢献する人工弁となっている。


製品に関するお問合せ先
エドワーズライフサイエンス(株)CVS事業部
TEL 03-6894-0510
https://www.edwards.com/jp/

 

対面型薬剤情報システム「DrugstarLead」を搭載した保険薬局用コンピューター「PharnesV

PHCホールディングスの100%子会社である、PHCは、対面型薬剤情報システム「DrugstarLead(ドラッグスター リード)」を搭載した保険薬局用コンピューター「PharnesV」を発売した。

「PharnesV」は、薬剤師の業務効率化と患者さんへの医療サービス充実、および薬局経営を支援する保険薬局用コンピューター。ネットワークサービスを通じて最新の医薬品情報をスピーディーに入手できるとともに、写真付き薬袋や薬剤情報説明文書などを用いて患者さんにわかりやすく服薬指導を行うことができる。

新たに対面型薬剤情報システム「DrugstarLead」を搭載することで、患者さんの服薬アドヒアランスの更なる向上を図る。今回処方だけでなく、前回処方も薬剤の写真とともに並列表示されるため、処方変更を視覚的に、よりわかりやすく患者さんに説明することが可能となった。また、処方薬の変更内容や薬剤師の服薬指導を踏まえた患者さんへの説明文書を出力できるため、患者さんやそのご家族が自宅でも処方薬の変更内容を確認でき、より安全で確実な服薬治療に貢献するとともに、かかりつけ薬局としての機能強化に寄与する。


製品に関するお問合せ先
PHCホールディングス(株)
コーポレートコミュニケーション部
TEL 03-6778-5311
www.phchd.com/jp/

 

遠距離介護のひと手間を軽減する生活支援機器『ファミリーコミュニケーション』シリーズ新発売

群馬電機では、遠距離介護を支援する会話型ロボット『ファミリーコミュニケーション』シリーズを開発し、モニター発売を開始した。

同シリーズは、録音されたメッセージを定時に再生することで、高齢者が忘れがちな生活動作(服薬、戸締り、火気管理など)の実行を促す。録音時は本体に「録音開始」と話しかけるだけ。内蔵された音声装置を取り出す必要なく、15秒間の音声メッセージを10件まで何度でも繰り返し録音することができる。また、メッセージの再生時刻も音声ひとつでカンタン設定。毎朝7時45分に孫の声で服薬を呼びかけたり、毎晩8時30分に娘の声で戸締りを呼びかけたり、夏季には2時間おきに飲水を呼びかけて、熱中症の予防に活用することも。1人暮らしや老老世帯の高齢者がつい忘れがちな生活動作を注意喚起することで、高齢者の自立を支援し、遠距離介護をする家族や介護事業者、近隣住民のひと手間を軽減する。


製品に関するお問合せ先
群馬電機(株)
TEL 0277-73-2417
https://www.gunmadenki.co.jp/products/products-original/family-communication/

 

高画質と高機能撮像を実現した3テスラ超電導MRIシステム「TRILLIUM OVAL Cattleya

日立製作所ヘルスケアビジネスユニットは、磁場強度3テスラ超電導MRIシステムの新バージョン「TRILLIUM OVAL Cattleya」の販売を開始した。

同製品は、日立独自の楕円形状のワイドボアや4ch-4port(4チャネル・4接続点)の独立制御可能なRF照射システムなどが特徴の3テスラ超電導MRIシステム「TRILLIUM OVAL」に、鉄濃度などで変化する組織間の磁化率の差を画像に反映させるQSM機能などを新たに搭載している。

  • 製品の特徴
  1. 快適な検査空間を提供する楕円形状のガントリボア

日立独自のOVAL(楕円)形状のガントリボアにより被検者に快適な検査空間を提供する。同製品は体格の大きな被検者や、狭い所を苦手とする被検者をサポートする横幅74cmの楕円形状のガントリボアを採用している。これにより、これまで撮像が困難であった肩関節などの部位も、幅63cmのワイドな寝台上で被検者を横に移動することで撮像が可能である。

  1. 4チャネル独立RF照射コイルにより安定した画質を提供

一般的に3テスラなど高い磁場強度のMRIシステムは周波数の高いRF波を使用するため、体幹部などの広い領域では、RF照射が不均一になりやすい性質があった。そこで、4ch-4portの独立制御可能なRF照射システムにより、照射均一性を向上した。検査時に各チャネルのRF照射の状態を確認する高速な専用シーケンスで、RF照射不均一を低減するように最適に4チャネルを独立制御し、ムラの少ない画像を提供する。

  1. 一連の腹部造影検査をサポートするLiverDrive

肝臓や乳房のMRI検査では、RF照射の不均一の影響に伴い、脂肪成分を低信号として描出し鮮明な画像を取得する脂肪抑制法の不良による画質劣化の問題があった。改良型脂肪抑制パルスH-Sincと、4ch-4portの独立制御可能なRF照射システムを併用する高速脂肪抑制シーケンスTIGREで撮像することで、脂肪抑制効果が高い画像を提供する。さらに、肝臓造影検査時の肝細胞相の撮像においてTIGREと横隔膜同期を組み合わせるLiverDriveにより、呼吸や体動による画質の低下を防ぎ、自然呼吸下で高分解能の検査画像を得ることができる。

  1. 組織間の磁化率の差を画像に反映させるQSM機能

生体組織の磁化率は、鉄沈着や脱髄変性では上昇し、石灰化では下降することが報告されている。磁化率の差を抽出して磁化率マップを算出し画像化するQSM機能を新たに搭載した。一般的にアルツハイマー型認知症では、鉄の沈着による脳の特定領域での磁化率変化が報告されていることから、認知症の早期診断法として磁化率画像を活用することが期待されている。


製品に関するお問合せ先
(株)日立製作所
ヘルスケアビジネスユニット
グローバルビジネス統括本部
TEL 03-6284-3100(直通)
http://www.hitachi.co.jp/healthcare